血管が見えない理由を考えた

2015/04/07 | trackback [ 0 ] | comment [ 0 ] | がん告知まで


真夜中、助手席にビニール袋を持った母親を乗せ、振動を抑えることだけに腐心して車を走らせること十数分。
坂の上に目指すO病院が見えてきた。


車を駐車場のゲートにつけてゆっくりブレーキを踏む。
が、腹が痛くて「発券ボタン」が押せない。
悶絶しながらやっとのことで押すも、今度は、出てきた駐車券を引き抜くことができない。
助手席に母親を乗せてはいるのだが、一瞬、「駐車券を取ってちょうだい」と頼んだことを想像しただけで気が遠くなったので、
「くっ…………」
と踏ん張りながらなんとか駐車券を引き抜いた。

受付に行き、「さっき電話した者です」と告げて受付票に記入すると、間もなく診察が始まった。
が、すぐに問題発生。
採血ができないのだ。

元々血管が細いことに加え、水分が摂れていないから脱水状態になっていて、血管が見えにくくなっているらしい。
ペシペシ叩いても温めても血管が見えず、看護師さん4人がそれぞれ2回ずつ、計8回トライしてもダメだった。
看護師はその都度、「ごめんなさいね」と心底申し訳なさそうに言うのだが、腹の痛みや苦しさがひどすぎて、腕のチクチクが全く気にならない。
しかし、そんな看護師を見ているうちに、自分の中にひとつの疑惑が浮上した。

採血に手こずっているのは、血管が細いことと脱水状態なことだけじゃなく、デブだからじゃね?
デブだから、血管が脂肪に埋まって見えないんじゃね?

すぐに訊いてみたかったが、喋るのがだいぶ辛い。
浅く息を吐きながら訊くタイミングを図っていると、看護師が言った。

「本当にごめんなさいね。いま先生を呼びに行ってますから」
「あの…」
「はい?」
「やっぱり脂肪が多いと血管が見えにくいものなんでしょうか?」
「いえいえいえいえ!ほ、細いんですよ!」
「そうですか…」
「そうですよー。元々血管が深いところにある方もいらっしゃいますし」
「深い?あ、やっぱ厚い脂肪に埋もれて…」
「いえいえいえいえいえいえ!」


過度の否定は肯定の裏返し。
そんなことを思いながら、医師が来るのを待っていた。



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■ 経緯

2012年12月:ひどい腹痛と呼吸困難で総合病院の救急外来へ。入院。左卵巣が破裂していると言われる。転院。余命1ヶ月未満と診断される。破裂した卵巣の摘出手術後、左卵巣がん(類内膜腺がん)3c期と告知される。抗がん剤治療開始。

2013年01月:ヅラをかぶる。
2013年02月:「ヅラが飛びそうな強風のため」という理由で休もうとするも会社のボスに却下される。
2013年05月:抗がん剤治療終了。
2013年07月:子宮、右卵巣、リンパ節などの摘出手術。
2013年08月:再び抗がん剤治療開始。術後腹壁瘢痕ヘルニアの予兆。
2013年10月:抗がん剤治療終了。月1回の通院で経過観察へ。術後腹壁瘢痕ヘルニアと診断される。

2014年02月:術後腹壁瘢痕ヘルニア手術。
2014年04月:CTの結果を経て、すべての治療終了。
2014年10月:抗がん剤治療終了から1年経過し、通院が2ヶ月に1回となる。ヅラを脱ぐ。
2014年11月:健康診断で人生最重量を記録する。